最近ではお葬式を行わないと言うケースも非常に増えており、これについて議論が起こることも少なくありません。生前葬儀は行わないでほしいといった希望をしている人も多く、また最近では終活と言う形で生前に自分の身辺整理を行い、家族に迷惑をかけたくないと意思表示をする人も増えています。そのような状況の中、葬式は要るかいらないか、漫画『ようこそ亡霊葬儀屋さん』の内容を参考に様々な問題について考察していきます。
亡くなった人の意向を尊重する
漫画『ようこそ亡霊葬儀屋さん』では、亡霊が視える葬儀屋さんを取り巻く様々なテーマが語られています。その中で最も中心となるのは、亡くなった人の意向です。実際に我々はなくなった人が本当はどのように考えているのか、既になくなってしまっているのでこれについて知る由もありません。そのため、様々な情報をもとに葬儀を行う方が良いのか、それとも行わない方が良いのか自らの勝手な解釈で判断していることが多いものです。
生前、「私のときには葬儀は行わないで」と言っている人は多いのですが、実際にはそのほとんどが家族に迷惑をかけたくないと言う気持ちがこもっていることが少なくありません。しかしその本心はみんなにしっかりと見送ってもらいたいと言う気持ちが隠れていることも多く、この本音を汲み取る事はなかなか難しいものとなっています。また金銭的な面での負担が大きいこともあるため、葬儀を行わないでほしいと望む人も多いのが実態です。
残された家族のことを考える
葬儀を行わない場合には、人が亡くなると言うことを実感することができないことから、葬儀を行った方が良いと考える人も多いものです。そのため本人は葬儀は行わないでと望んでいても、残された家族やその周囲の人々のためにあえて葬儀を行うと言うケースも少なくありません。これは人間関係の中では非常に重要な区切りを示すものとなっており、また、亡くなった人が生きている間にどのようなものを残したのかをその家族が確認する重要な場所でもあります。
単に集まって形式的な見送りをすると言うだけではあまり意味がないことと考える場合も多いのですが、実際には特別な思いを持って葬儀に参加すると言う人もいるため、この機会を奪ってしまう事は様々なしこりを残してしまうことにつながる場合もあるため注意をしなければなりません。葬儀を行う意味は本人を見送ると言う家族の思いが込められているものでもあるため、亡くなつたことをしっかりと認識し、次の生活に移るために大切な儀式となるものです。
亡くなった人の気持ちは誰にもわからない
実際に人間は亡くなった人がその後どのようになるのか明確に分かっている人はいないと考えられており、そのために様々な推測のもとにいろいろな形式での葬儀が行われています。仏教ではなくなったと魂は初七日まではその近辺を彷徨い、その後の供養などが悪いと成仏できずに現世に未練を残して存在し続けることになると考えられていることから、しっかりと葬儀を行わないといけないと考えられているものです。しかしキリスト教ではなくなった場合には地に帰ると考えられているため、葬儀を行うことで魂が供養されると言う事はないと考えられているのです。
この点は生きている人々にとっては全く未知の世界であり、確かめることもできないものです。そのため、このような葬儀が要るか要らないかといった議論はあくまでも残された人々の精神的なものに起因するものとなっており、これを満足させることができる方法を考えることが非常に重要なポイントとなります。
自分の気持ちを大切にすることが必要
葬儀を行うかどうかを決める際には、自分の気持ちに正直に判断をすることが最も重要であり、またこれが後々後悔をしないために大切なポイントとなっています。死んだ人は少なからずいろいろな人に影響を与えており、そのためその影響や様々な思い出を懐かしみたいと考えることも少なくありません。特にお世話になった人が死んだ場合には、しっかりと感謝の言葉を伝え区切りをつけたいと言う気持ちを持つことも多く、この場面が葬儀であると考えられることが多いものです。
最近では家族葬が非常に注目されており、ひっそりと家族だけで行うと言う形式が一般的となりつつありますが、これも家族ではない人にとって実際には悔しい思いをすることもあります。しかし基本的には自分自身が亡くなった人に対してどのような思いを持っているかが重要な要素となっており、そのために最後の機会として葬儀を重要なものと考え、これを判断することが大切です。
まとめ
葬儀が要るか要らないかの議論はなかなか結論を見いだすことができないものとなっており、実際には形式的に行われているケースが多いものです。漫画『ようこそ亡霊葬儀屋さん』では亡霊が視える葬儀屋が、亡くなった人の気持ちを知ることができると言う立場で様々な物事を解決していることから、その本当の気持ちを知ることができれば最も良いのですが、実際にこれを知ることができません。そのため、その判断は自分自身が亡くなった人に対してどのような思いを持っているかで判断するのが最も重要なポイントと考えられます。